次に内部の環境をみてみると、中国の経済構造転換は秩序よく進んでいる。下向きの圧力がかかる経済情勢に対して都市インフラ建設の強化、環境産業の発展奨励、情報消費の促進など中国政府は的確に一連の政策措置を実施しているほか、零細企業の税負担減免、人民元の金利市場化改革の加速、金融改革推進による企業外部の経営環境改善などを進めている。
方向性の明確な経済政策の成熟にともない、7月の関連データはすでに経済安定の兆しがあり、国民経済の運行に数々の前向きな変化が見られる。まず、企業生産の自信が増加し、PMIが50.3%と6月を0.2ポイント上回った。次に7月の全国の一定規模以上(国有企業または売上高500万元以上の民営企業)の工業企業増加値(純生産額)同月比伸び率は9.7%となり、前月を0.8ポイント上回り、関連発電量と使用量のいずれも伸びた。さらに貿易情勢に反発が見られ、7月の輸出は前年同月比5.1%増、輸入は10.9%増で、6月の輸出3.1%減、輸入0.7%減の情勢を挽回した。こうしたはっきりした客観的事実に基づいて多くの外資系投資銀行が新規巻き返しを図り、中国経済に明るい見通しを持ったのかもしれない。
これらの積極的な要素に支えられて中国経済は全体的に安定に向かっており、成長のペースも合理的区間にとどまっている。中国のアジアの新興市場における中心的地位が揺るぐことはないし、簡単に引きずり落とされることもない。ただ中国経済自体に存在する潜在的問題は無視できない。その1つは金融システムに存在する可能性があるシステミック・リスクで、マクロ経済の運行中は回避できない問題だ。2つ目は実体経済の生産高と金融政策支援の効率に向上の余地がある。そのため「穏中有進」(安定の中成長する)の発展段階にある中国経済がいかに投資とその生産効率のバランスをとるか、それには度胸と知恵が必要だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年8月28日