中国人投資家は13年、世界で最も重要とされる都市で不動産を次々に購入した。こうした動きについて、グローバルビジネス・経済情勢の分析を手がけるロジウムグループの研究員ティロ・ヘインマン氏は次のように指摘する。市場と政策による支援を受けて、中国人投資家の目が一部の海外市場の不動産に向かうようになり、規模が大きく安定している市場、たとえばニューヨークやその他の大都市が注目されるようになった。米国商業不動産市場の潜在的なリターン率は世界の他の地域よりも高い。オフィスビルの空室率は低下し、賃料は落ち着いてきており、こうしたところから米国の経済環境の改善がうかがえる。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」がまとめた統計によると、04年以降、中国の民間企業と非国有上場企業の海外での合併買収(M&A)の件数が緩やかに増加している。13年までに行われた取引は238件で、金額は243億ドルに上る。自国で巨万の富を築いた中国人は、投資のターゲットを海外市場に求め、より安全で確実にリターンが得られる資産を探している。富豪たちは高騰する中国不動産市場から撤退しつつあり、また進行する人民元高によって富豪たちはニューヨークやサンフランシスコの物件の価格をそれほど高いとは感じなくなっている。
![]() |
|
![]() |