このほか中国銀行本店国際金融研究所の陳静研究員によると、このたびの人民元値下がりは、中国が先週末に発表した貿易関連データの影響が大きい。税関総署が発表したデータによると、2月の輸出は前年同月比18.1%減少し、1月の輸出が予想を上回って10.6%増加したのと鮮明な対比をなしている。輸入は前月の水準を維持した。また生産者物価指数(PPI)は同2%低下し、低下幅は1月の1.6%を上回り、7カ月ぶりの低水準を記録した。こうしたデータから、中国経済の下ぶれ圧力が小さくないこと、第1四半期(1-3月)の経済は低下傾向を免れないことがわかるという。
また人民元が最近、たびたび大幅に低下していることについて、ある市場関係者は、人民元の対米ドルレート基準値が著しく低下しており、中国人民銀行(中央銀行)の自ら主導して相場を調整しようとする意図が明白だという。同行の周小川総裁が12日に両会(全国人民代表大会と全国政協会議)の記者会見で述べたところによると、人民元レートに対する市場の分析は分裂するものだ。市場の意見が分裂するのは、市場のパワーが作用を及ぼすためだ。だが人民銀としてはどこか一つの立場に立つ必要はなく、今後の中期的な情勢により注目していくという。
人民元レートの長期的な情勢について、ある専門家は、中国経済の基本的な側面には問題がない。現在、国内の流動性にはかなりの余裕があり、今年は人民元が大幅に値下がりしたり値上がりしたりすることはないとみられる。目下、人民元相場は相対的にバランスの取れた水準になっていると述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年3月12日