中国を含む多くの消費者にとって、「日本製」は品質と安全の保証と言える。日本の製造業も厳しい品質管理により、戦後経済の台頭を支えた。サービス業を中心とするようになった日本経済においても、製造業は依然としてGDPの18%を占める2位の座についている。
しかし調査によると、日本では工場内の安全事故が近年多発しており、日本製造業の没落の縮図となっている。このほど刊行された『週刊東洋経済』は、工場内の安全事故の多発を始めとする「製造業の危機」について分析した。
大きな所得格差
2013年12月下旬、日本の大型食品会社のマルハニチロホールディングスのアクリフーズが生産した冷凍食品から、高濃度の農薬が検出された。約1ヶ月後、アクリフーズ群馬工場の49歳の従業員が逮捕された。従業員は農薬を混入した原因について、会社の待遇に不満があったからと供述した。
この従業員は契約社員で、同工場で8年間勤続しているベテランであったが、安定的な正社員とは異なり、半年ごとに契約を更新していた。同工場の契約社員は全体の6割以上を占め、正社員との所得格差は約30%に達する。
総務省の調査によると、2013年の日本の契約社員は、5年前の調査時より141万人増の1906万人に達し、全体の約34%を占めた。一方で正社員の数は、緩やかに減少している。