人民元レートが5月下旬より再び下落している。アナリストは、「マクロ経済の回復の勢いが弱く、市場の人民元レートに対する消極的な観点が払拭されていない」と指摘している。欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の準備を着々と進めていることから、米ドルレートの中期的な上昇の原動力が強まっている。各要素を総合すると、短期間内に元安の流れを食い止められない可能性がある。6日付中国証券報が伝えた。
◆人民元レートが下落
オーバーナイト取引で米ドル指数は、約3カ月ぶり高水準の80.66に上昇した。これを受け、5日の人民元対米ドルレート基準値が再び下落した。中国外匯(外国為替)取引センターが発表した情報によると、5日のインターバンク市場では1米ドル=6.1708元と15ベーシスポイント低下し、2013年9月9日以来約9カ月の低水準付近で推移している。
5日の人民元対米ドル直物レートも最近の小幅安の流れを続け、狭いレンジで推移していた後再度下落で引けた。同日、人民元対米ドル直物レートは、1米ドル=6.2530元まで26ベーシスポイント下落して始まり、最低は1米ドル=6.2557元、最高は1米ドル=6.2497元で、終値は前取引日より44ベーシスポイント(0.07%)安の1米ドル=6.2548元となった。この終値を見ると、人民元対米ドル直物レート直物は、1米ドル=6.26元という近頃の低水準に近づきつつある。
オフショア人民元(CNH)、オフショアNDFを見ると、最近のCNH直物レートと人民元1年物NDFレートも国内市場と同時に下落し、1米ドル=6.26元付近で推移している。