▽VWのトヨタ包囲網の背後に独日のシーソーゲーム
ドイツのメルケル首相は中国訪問の2日目、国務院の李克強総理とともに、両国の数十億ユーロ(1ユーロは約138円)に上る経済貿易合意の調印を見守った。その中にはドイツのVW本社と中国の一汽との青島、天津における合弁会社設立も含まれ、1社あたりの投資額は10億ユーロ(約1380億円)とされた。
メルケル首相の訪中では自動車が重点になった。一汽-大衆汽車有限公司成都支社を日程の初めに組み込んだことから、ドイツ政府が自動車をどれくらい重視しているかがわかる。
中国自動車市場では、日本のトヨタ、ドイツのVW、米国のゼネラルモーターズ(GM)が販売台数で上位3位を占める。VWはすでにGMの上に立っており、GMは問題ばかり起こしていることから、VWが今、トヨタとの競争をより重視していることは明らかだ。中国はVWにとって最も重要な市場であり、トヨタを攻撃する最高の舞台だと考えられる。
加えて、ここ2年ほどは政治的な要因により、日系車が中国で伸びなくなっている。トヨタ自身の発展に影響があるだけでなく、傘下のレクサスブランドにも影響が及んで思うように発展できず、中国国産化計画もなかなか許可が下りない。
独日双方の態度の歴然とした違いが、双方の在中国企業の発展に影響を与えることは明らかだ。VWは中国市場でトヨタを思いのままに包囲することができるといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年7月10日