6年に渡る量的緩和策(QE)のマラソンが、ついにゴールに辿り着いた。北京時間10月30日午前、米連邦準備制度理事会は量的緩和策を11月に終了すると発表した。著名投資家ウォーレン・バフェットは、「潮が引いた時、初めて誰が水着を着ているか分かる」と述べたことがある。米国が引き起こした世界範囲の量的緩和策の潮が引こうとしているが、これは中国経済にどのような影響を及ぼすだろうか?
米国の刺激策終了は、米ドル相場を引き上げた。これは中国経済と企業の生産に、3つのプラス材料をもたらす。(1)中国の3兆3100億ドルの外貨準備高の利益確保の圧力が和らぐ。(2)米ドル建ての石油、基礎的な金属、一部の食糧を含む大口商品の価格が低下を続け、中国の輸入型インフレの圧力が大幅に緩和される。大口商品を生産の原材料とする企業のコストが直接引き下げられることで、これらの企業が最大の実益を得る。(3)人民元相場の上昇の圧力が和らぎ、ジレンマに陥った金融政策の方針決定の難易度が下がる。安定成長の角度から見ると、中国の輸出経済の回復を強く促し、国内の輸出企業に実益をもたらす。
金融緩和策の終了によるマイナス材料は次の通り。(1)米国経済の好転と金利情報の期待感により、利益を求める資本が中国から流出し、技術革新をけん引する先進国に押し寄せる。(2)大口商品の価格が低下を続け、生産企業の収益を損ねる。金の投資に熱中していた中国の女性にとって、目も当てられないほど残酷な結果が待っている。(3)巨大な資金需要を持つ不動産業が衝撃を受ける。多くの不動産企業は海外を重要な資金補充源としている。英米調査会社ディール・ロジックの統計データによると、中国の不動産企業は2014年1-8月に海外市場で524億ドルの債券を発行した。ブルームバーグの報道によると、中国不動産企業が同期に海外の銀行からの融資総額は、前年同期比39%増の59億ドルに達する。つまり中国不動産企業が今年1-8月に海外で債券を発行し、海外の銀行から融資を受けたことで形成された債務規模は590億ドル弱に達する。金融緩和策が終了すれば、海外の資金の流動性に変化が生じ、不動産企業の海外での資金調達が困難になり、資金調達コストと為替リスクが拡大する。