第二次世界大戦後の米国と同じように、中国はマネーを振る舞い各国との強固な経済関係を築こうとしている。これにより自国の経済成長がけん引されると同時に、その世界経済における地位と地政学的地位を固めることができる。
中国の創意の多さは驚きに値するものだ。昨年だけで4つの重要プロジェクトが中国の呼びかけの下で始まっており、これは世界貿易・金融における中国の役割の拡大につながる。これらのプロジェクトは今後10年間に1000億元規模の投資をけん引することができる、関連国家の経済成長が加速すると同時に、中国との生産・貿易・金融関係も深化する。
だが、そのすべてが成功しうまくいくとは保証できないものだ。中国は今巨大な内部試練に直面している。所得格差の拡大が日増しに深刻化し、大規模な空気や水道水の汚染、ローカーボン経済への転換必要性、さらに欧米諸国のような金融市場の不安定要因というリスクなど、問題は山積している。しかも、近隣諸国に対する高圧的な態度をとれば、中国は大きな反発を買う可能性がある。したがって、中国の今後の道は必ずしも順風満帆になることはない。