米半導体メーカーのクアルコムは月曜日、中国国家発展改革委員会(発改委)に60億8800万元(約9億7500万ドル)の罰金を支払い、14ヶ月に渡る独禁法違反の調査が終了したと発表した。この罰金は、中国の独禁法違反の取り締まりとしては、過去最高額となった。
クアルコムは声明文の中で、中国における特許権使用料を引き下げると表明した。発改委はクアルコムが中国の独禁法に違反したと認定したが、クアルコムはこの決定に異議を唱えることはないと発表した。
クアルコムはすでに業務改善計画を進めることで合意しており、中国における事業の慣例を改め、発改委の行政命令に全面的に従うことになった。クアルコムは調査結果に失望しているが、発改委が同社の業務改善計画を審査・許可したことに満足している。
クアルコムは同時に、2015年度の売上と利益の予想を上方修正した。
これにて1年以上に渡る調査が終了し、クアルコムの中国におけるライセンス収入に悪影響を及ぼした。中国は世界最大の携帯電話市場であり、一部の製造メーカーは特許権使用料の支払いを先延ばしし、本来支払うべき金額を引き下げている。
この罰金支払いの結果は、外資系企業が今後中国で直面する独禁法違反の調査に、参考となる材料を提供した可能性がある。マイクロソフト、シマンテックも中国政府の調査のターゲットとなっている。中国が調査を利用し、地場メーカーの発展を支援することが懸念されている。
第1四半期末時点で、クアルコムの保有する現金及び有価証券の総額は316億ドル。第1四半期の半導体の売上は、クアルコムの売上の74%を占めた。ライセンス収入は、税引前利益の58%を占めた。クアルコムの過去5年間のライセンス収入は、300億ドルを超える。
クアルコムは昨年、アメリカ国際貿易委員会(ITC)も同社の特許部門が、公平かつ合理的な約束に従い特許権を付与しているかについて調査中だと発表した。欧州委員会もクアルコムのベースバンドチップ事業に関連する返金・奨励金の調査を進めている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年2月10日