例年の両会(人民代表大会、政治協商会議)では経済関連の議題が重視されるが、今年も例外ではない。中国経済は現在、成長鈍化の圧力に直面している。全面的な改革の深化の重要な年に、中国経済が圧力に耐え切り、「二つのエンジン」を動かし、「二つの中高」(質の向上と効果の拡大)を実現できるだろうか?両会の開幕を迎え、外国人専門家・学者らは、「新常態」の中国経済の発展の流れを展望した。
米シンクタンク・戦略国際問題研究所の中国問題専門家のスコット・ケネディ氏は、「今年の両会は特に重要だ。今年は第12次五カ年計画(2011−2015年)の最終年であるからだ。中国の指導者は第12次五カ年計画の成功の経験を総括し、かつ第13次五カ年計画の目標について検討しなければならない」と述べた。
英ウォーリック・ビジネススクールの教授は、中国が新たなエンジンを作り、旧型エンジンの改造に取り組み、「二つのエンジン」によって経済成長を刺激し、「中所得国の罠」を回避することに賛成している。「二つのエンジン」戦略は、互いに取って代わろうとし、資源を争奪し合うのではなく、緊密な連携と相互促進が必要だ。
成長鈍化、構造調整、原動力の変化を主な特徴とする「新常態」は、中国経済を理解する鍵になっており、今年の両会で頻繁に取り上げられるキーワードになる。
オーストラリア元外相、シドニー工科大学豪中関係研究所所長のボブ・カール氏は、「世界は数十年に渡り、中国経済の2桁台の成長に慣れている。今後はその新たなペースに適応しなければならない。中国経済の鈍化は予想外ではなく、新たな常態である。中国は依然として世界の経済成長に対する最大の貢献者だ」と指摘した。
シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院教授の陳抗氏は、「経済成長モデルの変化は、困難な取り組みになる。中央・地方財政の関係を調整し、政府の役割を変えなければならない。このような変化は、すべての人に歓迎されるものではなく、これまでの既得権益が損なわれる。これは経済成長モデルの変化の困難な点だ」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月5日