広東自由貿易試験区の設立が、カウントダウンの段階に入った。広東自由貿易試験区は広東・香港・マカオ金融協力新体制の構築、広東・香港・マカオサービス貿易自由化、制度面の革新による広東・香港・マカオ取引ルールの結合を中心的な取組内容とする。広東自由貿易試験区はクロスボーダーの優位を発揮し、国家の「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略と効果的に結びつき、広東省と21世紀海上シルクロードの沿線国・地域の貿易と投資協力を促し、かつ21世紀海上シルクロードの重要な中枢の建設に力を入れる。
革新的な金融生態圏を構築
香港の永隆銀行と中国聯通(チャイナユニコム)が共同設立する消費者金融会社が、昨年8月末に深セン市前海地区で設立の許可を得た。これはCEPA(経済貿易緊密化協定)の枠組みに基づき始めて広東省に設立された消費者金融会社でもある。深セン前海微衆銀行は中国初の民間ネットバンクになり、今年1月18日に試験的に営業を開始した。広東・マカオの協力の一環として、マカオ国際銀行横琴代表所が、2014年の年初に開業の許可を得た。業界関係者は、広東自由貿易試験区の金融革新の空間が拡大を続けており、新型事業モデルが今後も打ち出されると予想した。企業は自由貿易試験区内で、付加価値を高めることができる。
「一区多園」の管理モデル
広東自由貿易試験区は広州市南沙、深セン市前海蛇口、珠海市横琴の3大エリアを網羅する。ゆえに各エリアの調整・管理の実現は、広東自由貿易試験区の建設が直面する重要な問題だ。「中国(広東)自由貿易試験区管理方法(原案)」は、広東省は自由貿易試験区の管理機構を設置すると同時に、各エリアに応じた管理機構を設立するとした。各エリアの管理機構は所在地の市政府から派遣される機構であるが、省一級管理権限を行使できる。このモデルは市場から、「一区多園」(一つの自由貿易試験区、複数のパーク)の管理モデルと理解されている。
横琴新区は「一線を緩和、二線を厳格管理、人と貨物を分離、分類管理」という原則に基づき、分離線管理を実施する。横琴〜マカオ間は「一線管理」で、生産に関連する貨物の登録管理を行い、これを保税もしくは免税の対象とする。横琴〜中国本土は「二線管理」で、貨物の監督管理、徴税、検査・検疫などの職能を担う。生産に関連する中国本土の貨物が横琴に入る場合には輸出扱いとなり、規定に基づき税還付が実施される。
業界関係者は、広東・香港・マカオサービス貿易自由化の推進を加速するため、広東自由貿易試験区の各制度を香港・マカオ・世界の規則と経験に合致させる必要があるとした。また広東・香港・マカオ共同作業チームを早期結成し、広東・香港・マカオの協力の過程において生じる問題を定期的に研究・解決する必要がある。中山大学の林江教授は、「広東省は自由貿易試験区のチャンスを掴み、貿易の壁と進出のハードルを取り払い、人・モノ・資金の流れをスムーズにするべきだ。また都市管理など香港・マカオの先進的な手法を大胆に取り入れ、広東・香港・マカオの制度・管理の相互接続の実現を目指すべきだ」と提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年4月2日