中央人民広播電台(CNR)の経済番組「経済之声」によると、高級ブランド・シャネルの値下げを受け、中国人消費者の国内での消費意欲に火がついた。
杭州大厦、上海国際金融センター、成都国際金融センター、北京新光天地など、シャネル専門店のある場所では、買い物客が開店前に長い行列を作っている。夜の8時、9時になっても、多くの買い物客が押し寄せる。シャネルのサービス担当者によると、これは値下げではなく、世界各市場の価格差の調整だ。調整は3月17日に始まり、消費者から熱烈な反響を得ている。現在も店内に入るためには、行列に並ぶ必要がある。
シャネルは中国市場で今回、平均20%程度の値下げを行った。これに伴い、欧州では20%の値上げを発表した。シャネル製の手袋の中国本土の販売価格は、これまでの3万8200元から3万元に引き下げられた。値上げ後の欧州と比べると、価格差は1万4700元から1800元に縮小された。
シャネルは高級品業界のバロメータとされるブランドだ。シャネルほどの一流ブランドでも、控えめな姿勢になり中国人消費者に迎合し始めている。しかし報道によると、その他の高級品ブランドはシャネルによる、値下げという販促の流れに追随していない。
過去1年余りに渡り、中国の高級品市場の業績が著しく悪化した。それと同時に、中国人の海外における高級品消費額が拡大を続けた。中国人は2014年に世界の47%の高級品を購入し、うち76%は国外での購入だった。高級品市場のバランスが乱れ、中国の多くの店舗は広告塔、展示ルームに成り下がった。これが続けば、ブランドが受ける損失が拡大する。当然ながらシャネルの値下げは、偽物の減少に対して一定の効果を生む。
中国商務部の沈丹陽報道官は昨日開かれた定例記者会見で、「シャネルの中国本土における自主的な値下げを歓迎する。これは海外消費の国内回帰を促す。商務部は中国人が国内でも合理的な価格の高級消費財を購入できるよう、的を絞った政策的措置を検討・行使する。中国人の海外における消費・購入は近年拡大を続けており、海外消費のブームが形成された。その一つの主因は国内外の価格差で、これは海外ブランドの中国市場に対する価格設定によるものだ。シャネルは中国本土で自主的に値下げを行い、中国と欧州の価格差を大幅に縮小した。我々はこれを歓迎し、海外消費の国内回帰を促すと信じている」と発言した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月2日