米アップル社はこのほど2015年1~3月期の決算を発表した。Iphoneの販売増加と中国市場の好調を受け、当期の売り上げと純利益は市場の予測を大幅に上回る伸びとなった。
決算書によると、売り上げは前年同期比27%増の580億1000万ドル、純利益は33%増の135億7000万ドルとなった。ティム・クック最高経営責任者(CEO)によれば「かつてない素晴らしい業績」という。
今回の決算で注目されるのは、Iphoneの販売の伸び。今年1~3月期で6100万台を販売し、同期の全社売り上げの3分の2を占めた。数量ベースでは前年同期の7400万台を下回ったものの、金額ベースでは40%増加している。
販売増加には中国が大きく貢献している。Iphoneの中国での売り上げは前年同期比71%増の168億ドルに達し、米国での売り上げを初めて上回った。全社売り上げで見ると、中国市場はアップルにとって世界第2の市場であるが、前期(10~12期)に比べて売り上げが伸びたのは中国だけである。
クックCEOは「中国の中間層の拡大がIphoneと全社の売り上げの伸びを支えている。中国を含む新興国の見通しは今後も期待できる」と語った。多くのアナリストも中国の春節期間での販売が好調だったことが予想を上回った要因と分析している。
またクックCEOは決算数字だけでなく、資本政策についても言及。株主に対する資本還元プログラムについてこれまでの1300億ドルから2000億ドルへと大幅に増額。自社株買いの枠を900億ドルから1400億ドルに拡大し、配当を11%増の1株当たり0.52ドルまで引き上げる。
配当の引き上げは1年に3回目だが、こうした資本還元プログラムは同社の今後の経営に対する自信の表れとみられる。AFP通信は「同社の3月末の現金残高は1930億ドルを超えており、資本還元プログラムの影響はごくわずかである」と伝えた。
同社の4月27日の株価は、好決算を受けて132.65ドルと1.8%上昇した。昨年年間では50%以上値上がりしており、時価総額では世界最大となる。
しかしアナリストの中には、アップルの今後の成長について心配する向きもある。今年はスマートフォンの販売が世界的に伸び悩むとみられているためだ。特に同社の高価格モデルが大きな影響を受ける可能性が高い。先進国でのスマートフォンの普及率が高まったために、今までのような伸びを維持するのは難しいという。
実際、Iphoneは伸びているが、アップルのその他の製品の販売は楽観できるものではない。今年1~3月期のMacの売り上げは2%増の56億ドルにとどまっており、iPadの売り上げは29%減の54億ドルに落ち込んでいる。
米金融仲介業者のBGCパートナーズのアナリストは「これまでアップルはIphoneの販売に頼ってきたが、市場はいつの日も1日で変わるものである。問題はIphoneの販売が落ち込んだときに、これに代わる成長の原動力を見つけられるかどうかである」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月3日