また、複数の日本企業も、「生産拠点を中国から東南アジアにシフトするような流れは、今のところ起こっていない」としている。日系家電メーカーの深セン工場の担当者は、「数年前、中国の人件費が高騰する可能性を見越し、ベトナムでの工場建設を検討したことがある。だが、計画に関わった人物が、ベトナムではしょっちゅう停電が起こるため、工場での生産に支障をきたす恐れがあるとアドバイスしてくれた。また、ベトナムには大きな市場は見込めず、製品販路の拡大は望めないという問題もあった」と話した。
中国国内で賃金が急上昇したことは、日本企業が東南アジアに着目する要因の一つとなった。2015年、東南アジア主要国の最低賃金は、中国とはまだかなりの差があるが、今後の賃金の上昇率については予想がつかない。企業投資の動向に関する調査に携わる国際協力銀行(JBIC)HRM室人事課長の菊池洋氏は、「投資動向を見ると、日本企業による対東南アジア投資は、この2年間で新たに生じた動きだが、この情勢からすぐに、中国から東南アジアに投資先が変わったという結論を導くことはできない」とコメントした。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年5月7日