グローバル企業の人民元決済の需要が特に旺盛だ。グローバル企業、特に中国と貿易・投資関係を持つ企業の多くが、人民元による決済、リスク管理、資金管理を選択している。フォルクスワーゲン、ダイムラー、フォード、ゼネラル・モーターズなどの欧米自動車メーカーは、人民元を第二の通貨としている。グローバル企業の間で人民元の評価が高まっていることについて、英国の国際弁護士事務所は「人民元:新たな国際通貨」と題した専門的な報告書を作成した。同報告書は、グローバル企業の人民元決済の人気が高まり、人民元が重要な国際通貨になろうとしていると指摘した。
人民元相場は近年、堅調に推移している。人民元の購買力平価から見たレートは合理的な水準であり、各国が通貨のレート引き下げを競う中、大幅な元安も生じていない。SWIFTのデータによると、人民元の実質実効為替レートは昨年6.24%上昇し、過去最高を記録した。国際収支の面から見ると、中国の経常収支の黒字・赤字の対GDP比は合理的な水準となっている。中国の経常黒字は近年大幅に縮小されており、2007年の10%弱という対GDP比は昨年約2%に低下し、5年連続で4%以内となっている。人民元相場の推移は、国際社会から広く認められている。IMFのラガルド専務理事は先ほど、「人民元がIMFのSDRの通貨バスケットに採用されることを歓迎する」と表明した。専門家は、人民元がSDRの通貨バスケットに採用されるに伴い、多くの国が人民元を外貨準備資産にすると予想した。これは人民元国際化を加速する。