14日付「産経新聞」報道によると、日本側は交渉において、台湾側の要求の一部に対して検討可能という素振りを見せたという。静岡県の大手茶葉輸出業者も14日、「台湾側の要求に応じて放射線検査証明を添付すればよい」とコメントした。しかし、中小の輸出業者は、「煩雑な手続きとコスト上昇を考えると、得策とは言えない。いっそ台湾市場から撤退した方が良いかもしれない」との見方を示した。
〇輸入制限強化の背後に政治的目論見?
2011年3月に起こった東日本大震災によって、東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故が引き起こされた。台湾は、香港や大陸部と同じように、一部の日本産食品の輸入制限措置に踏み切り、福島など5県からの食品の輸入を禁止、日本から出荷される全食品に都道府県別の産地証明を添付、福島に近い東京都や静岡県など特定地域の食品については、放射線検査証明を添付するよう求めた。
台湾は今年4月、百貨店など日系の商店で販売されている一部食品のうち、輸入禁止地域としている福島県産品の産地を偽装している事例を発見した。これがきっかけとなり、台湾は、日本産食品の輸入制限措置を強化すると宣言、日本側に改善を求め、改善されない場合は輸入を全面的に禁止するとした。
だが、日本政府は台湾側の要求には答えず、輸入制限の緩和だけを求め続けた。さらに、産地が偽装された食品についても、基準値を超える放射線量は検出されず、台湾側の要求には「科学的根拠がない」と対抗した。