米紙「ウォールストリートジャーナル」の報道によると、中国株が先週急落し、5月28日の1日だけで上海総合株価指数の下げ幅は6.5%に達したものの、底値買いを探る投資家たちを呼び寄せている。一方で報道は、中国の株式市場はリスクを抱えており、投資家は熟慮を強いられているとする。
報道によれば、5月29日の木曜日は上海総合株価指数が下落しただけでなく、深圳総合株価指数が5.5%下落、ハンセン指数も2.2%下落した。しかし翌日にはそれぞれ持ち直し、今週月曜日(6月1日)に上海総合株価指数は4.7%上昇した。中国株式市場の投機熱はまだ冷めておらず、中国株式への投資はいまだリスクを抱えている。
国際取引所連合(WFE)のデータによると、上海と深圳の株式市場の株乗り換え率は、昨年の98%から今年4月末にはそれぞれ600%、706%と急上昇している。これは中国の投資家の平均保有期間が2か月以下ということを意味する。さらに深圳の投資家の株乗り換え率の高さは、平均保有期間がわずか14日に相当するものだ。一方、アメリカ株式市場における株乗り換え率は現在300%程度で、平均保有期間は4か月前後である。
「ブラックロック中国株式投資」の責任者である朱悦氏は、中国経済の安定成長こそが、株式市場に安定的土台をもたらすと述べる。「バリュー・パートナーズ」の主席アナリストである謝清海氏は、「最近の株価の高騰は、これまで中国不動産市場が経済を刺激してきたことの代替となっている」と分析する。また同氏は、今回のA株の高騰はこの数年の流れの一部に過ぎないとも付け加えた。
投資家が中国株式市場を有望と見なすのには理由があるが、同市場は19世以降何度もバブル崩壊を体験してきし、高度経済成長が必ずしも株式市場の収益を高めることを意味しない。しかし、だからこそ投資家は高い株価に金を出そうとする。
ロンドンビジネススクールの金融研究者であるエロリー・ディムソン氏とポール・マーシュ氏、マイク・スタウントン氏の3人は、世界の投資家が投資したいと考える中国株式市場は1993年初頭から2014年末にかけて、インフレ調整後で毎年3%のマイナスとなったと指摘している。
それにもかかわらず、アメリカの投資家は依然として中国株式市場への投資を続けている。アメリカの投資調査組織「TrimTabs」は、現在までに中国の共同ファンドと上場投資信託(ETF)に8億5600万ドルの追加投資をした。今年に入って合わせて27億ドルの投入となる。しかし一旦下落が続けば、これらの投資家は恐慌性を帯びた投げ売りに走る可能性がある。だから投資家は注意が必要である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年6月6日