日本の製造業は欧州に比べれば古株とはいえず、中国と同じように、海外から技術などを導入することでスタートした。だが中国とは異なる価値観、発展モデルをもつことから、今日のような成功にたどり着いた。日本は今や、海外での合併買収(M&A)や特許の開放を通じて、世界の技術界のトップランナーに上り詰めた。中国の製造業はここから多くを学ぶことができる。中国日報網が伝えた。
▽需要が出発点
炊飯器にトイレの便座に最近回復傾向をみせる自動車まで、日本の製造業の成功例は一つや二つにとどまらない。
どうすれば成功できるのか。日本の製造業の発展に詳しい南開大学日本研究院の張玉来准教授は、「日本企業の特徴は需要を出発点として研究開発と製造を行うところにある」とポイントを指摘する。
張准教授は、「日本の製造業は技術の高低にかかわらず、製品はどれも需要を方向性とする。ここから日本企業のもう一つの特徴であるイノベーション意識の強さを導き出すこともできる。実際、日本の製造業同士の競争は非常に激しく、付加価値が高い製品をつくり、イノベーションが市場に評価された企業しか生き残ることはできない。かつて3大家電メーカーの一つと言われた三洋電機は、その歴史の後半にはパナソニックや海爾(ハイアール)などの買収によって徐々に侵食され、今年3月に失意のうちに舞台から姿を消した。『革命的なイノベーション』が少なかったことが三洋の敗因だ」と話す。
イノベーションは市場ニーズから生まれる。張准教授は、目下の紙オムツ市場を独占するばかりの勢いがある花王や大王製紙を例に挙げ、「現在、こうしたメーカーは高齢者用紙オムツを開発中だ。日本社会の深刻な高齢化を反映しているだけではない。中国も高齢化社会に足を踏み入れたことを踏まえ、10~20年後の中国という巨大市場を見据えているのだ」と話す。