世界経済フォーラム(WEF)サマーダボス会議は今月9~11日に遼寧省・大連市で開催される。中国経済成長の「ニューノーマル」(新常態)、世界経済の発展、中国株式市場の動きなど、注目度の高い話題が議論の中心になりそうだ。
今回のテーマは「未来の経済増長の構図を描写」。「経済の不確実性」、「科学的変革」、「危機に直面する業界」、「中国のニューノーマル」、「環境限界」、「人間の意義」の6つの議題をめぐり、100以上のフォーラムが行われる予定。90余りの国・地域から1500人が参加する見込み。
最近発表された経済統計から、中国経済は構造転換の“陣痛期”にあることがうかがえる。中国国家統計局が9月1日に発表したPMI(製造業購買担当者景気指数)は49.7%に低下し、好不況の分かれ目となる50を下回った。また、今年上半期のGDP(国内総生産)成長率は7%と、伸びの鈍化が続いている。
ただ、成長率は減速しているものの、GDP増加額はここ6年で最も高い水準を記録。世界経済に与える中国の影響は強まっている。14年に中国の経済規模は初めて10兆米ドルを超えた。また、世界経済成長への寄与率は25.8%に達し、米国を1.1ポイント上回り、世界1位に躍進している。