24日に北京で開催された「北京・東京フォーラム」経済分科会において、三井物産の槍田松瑩氏は、「この数か月の中国株価の暴落や人民元レートの揺れ動きなどから、誰もが中国経済の行方を心配したり、呆然としたりしている。しかし、中国ビジネスを数十年やってきた経験から見ると、中国経済に必要以上の心配をする必要はないと考える」と述べた。
「現在まで中国は30年以上にわたる高度成長を維持してきた。20年あまりの日本経済の高度成長期と比べてもかなり長いが、同時に多くの問題も蓄積されているようだ。しかし中国政府による中長期経済発展計画では、様々な明確な政策を打ち出している。 “新常態”による経済発展や、“一帯一路”戦略、AIIB(アジアインフラ投資銀行)などだ。また、最も困難だが最も重要な国有企業改革も含まれる。現在行われている反腐敗運動の決意から見ると、国有企業の改革も希望が持てると私は考える」。
また同氏は、「私は今年、ダボス会議に参加した。議論の結果、中国経済は依然として合理的な範囲で成長しており、衰退の痕跡は見られないとの結論に達した。もちろん、鉄鋼やセメント、ガラスなどの産業などで景気の減速が見られる。しかし、現在投資するテレビショッピングや電子商取引など、サービス業の成長率は非常に高い。それ以外に観光産業も非常に急速な成長を見せている。中国の不動産産業が減速するリスクが様々なところで指摘されているが、先月の具体的データをみると、北京や上海など1級都市の不動産価格は依然として上昇している。今後の新規投資の増加は半年前後の時間が必要だとされているが、これは、この地域で潜在的需要があることを裏付けるものだ。半年後には、これらの投資はそれなりに増加することが見込まれる」とも述べた。
さらに同氏は、「中国の各省市では常に投資を呼び寄せており、今後の地方経済はさらに大きな発展が見込まれる。この数日の討論で長江デルタ経済ベルトや、北京・天津・河北都市圏など様々な構想が語られた。特に“一帯一路”の戦略の下で、中国の各地域のインフラ投資がつながり出している。陝西省の省長が開幕式で紹介されたように、省内のインフラ投資は増加し続けている。陝西省内だけにとどまらず、より遠くの地域に延伸している。このような考え方は地方の環境汚染問題を改善することになる。建設と発展において、統一した計画が重視されている」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年10月26日