中国の広州市南沙区のある道沿いの食堂で、毎日お昼の混雑時に梁さんは数百人の工場労働者に麻婆豆腐や豚肉炒めなどの料理を出している。一年前は梁さん自身も工場労働者だった。11月24日付けの「ウォールストリートジャーナル」が伝えた。
同じ南沙区にある美容教室の教員は、200人の生徒がここでヘアメイクやマッサージなどを学んでおり、生徒全員がもとは工場労働者だったと話す。教室の壁に貼られたピンクの紙には、「自分をなめるな」などのキャッチフレーズが書かれてある。
中国経済の成長に伴い、工場労働者が次々と美容やレストランに転職している。輸出依存の軽減や内需刺激の背景の下、飲食・ホテル・小売業の就職口が増え、転職も勢いを増している。労働者にとっては就職の選択肢が広がったが、工場の事業主にとっては悩みの種となっている。年頃の労働人口減少によりすでに人手不足に陥っているためである。
ある美容教室の経営者は、豊かになった人々はより良いサービスを求める傾向にあると語った。従業者にとって、これはサービス業の新たな雇用チャンスや待遇の良さを意味する。ジーンズ縫製工場を3ヵ月でやめ、美容教室に通い始めた瀋さん(18歳)は、「工場の仕事はきつい。しかも美容師は労働者より響きがいい」と話す。
美容教室から数ブロックを離れた住宅地では、電話オペレーターやホテルのDJの募集広告が見られる。月給2800元でボーナスも約束され、多くの工場の報酬を上回るものである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月25日