▽米・独・中・日・韓で産業用ロボット販売の7割
国際ロボット連盟(IFR)がまとめた統計によると、過去数年間2けたの高度成長を遂げたロボットだが、14年の世界の産業用ロボット総売上台数は22万9千台に過ぎない。このうち中国での販売台数は5万7千台だ。中国の産業従事者1万人あたりのロボット保有台数は36台で、韓国の478台、日本の374台、ドイツの292台、米国の164台と大きな開きがある。
国内外の複数機関の予測を踏まえると、世界の産業用ロボット市場の中心は中国、欧州連合(EU)地域、米国、日本だ。日米独韓中のストックは世界全体の71.24%を占め、販売量は69.92%を占める。17年の中国の産業用ロボット市場の規模は12年の4倍になり、今後5年間のロボット産業の複合成長率は30%に達するとみられる。また今後5年間の産業用ロボットの年平均増加率は25%に上る見込みだ。
産業用ロボットは自動化技術の集大成といえ、これまでずっと自動化分野の「王冠の真珠」などと言われてきた。中国工程院(工学アカデミー)の王天然院士は、「産業用ロボットは誕生して以来、幅広く発展し、他分野への技術移転も進み、サービス用ロボットなどの新たな分野も生み出した」と話す。
王院士は、「労働力不足の解消といった問題で、産業用ロボットが果たす役割がますます大きくなっている。たとえば日本の場合、1970年代から90年代にかけて経済の高度成長期を迎え、労働力が極端に不足したため、日本は20年の時間をかけて世界一のロボット大国に発展し、さらにはロボット製造強国になった。今なお世界には産業用ロボットに対する幅広い需要がある。作業現場の数を踏まえると、産業用ロボットの普及率はまだ5.63%に過ぎない」と指摘する。