自動車業界団体「全国乗用車市場信息聯席会」(CPCA)が発表した11月の中国の乗用車販売台数は前年同期比17.6%増の202万4420台に上った。なかでもSUVは74.6%増の67万3969台に達し、伸び率が過去最高を更新。MPVは7.7%増の20万8707台、セダンは0.3%減の106万8017台。
第12次5カ年計画(「十二五」、2011~15年)期の目標達成に向け、各メーカーとも「ラストスパート」をかけている。それに中国政府の政策支援も加わり、11月の乗用車生産、出荷台数はともに200万台を上回り、力強い伸びをみせた。メーカー出荷台数は212万台と、過去最高を記録。要因の一つとしては、昨年末に一部のメーカーが出荷を控えていたことから、比較対象となる前年同期の水準が低かった反動も挙げられる。小売りベースで11月の販売台数は18%増の195万台となり、出荷の加速が小売販売を押し上げている。
11月の自動車小売市場は安定的に推移。これも「天の利、地の利、人の和」の共同作用の結果と言える。今年の11月は近年で稀なほどに雨、雪、低温の日が多く、さらに一部の地域は深刻なスモッグに見舞われた。一方、昨年の11月は例年より暖かく、降雨や降雪も少なかったため、冬季の自動車購入ピークの到来が遅かったという。今年の伸び率の拡大には、前年同期の水準が低かったことも一因。これに加え、電子商取引(EC)業者のバーゲンセールフェスティバルも消費を過熱させた。EC主催のモーターショーに注目が集まり、販売を後押しした。