東芝は、資産の売却を迫られ始めている。インドネシアに保有していたテレビと洗濯機のメーカーはすでに、中国のスカイワース(創維公司)に転売されている。今後は、東芝のパソコン事業は富士通と合併し、白物家電はシャープに売却される可能性が指摘されている。東芝の今後の中核事業は、半導体と原子力発電となる見込みだ。
こうした措置にもかかわらず、東芝の未来は依然として楽観を許すものではない。推測によると、2016年度に期限を迎える東芝の融資と債務は1兆円近くに達する。東芝は融資の必要に迫られているが、その惨憺たる業績は投資家を尻込みさせている。ムーディーズは東芝社債の格付けをジャンク級に引き下げた。東京証券取引所は、2016年9月まで東芝への株式融資を禁じた。
東芝のような問題は、日本でだけ発生しているわけではない。東芝と同様の総合企業である米国のゼネラル・エレクトリックも巨額の損失を計上している。金融部門の巨額の欠損によって、ゼネラル・エレクトリックは、2008年の国際金融危機の暗闇に引き込まれた。だがゼネラル・エレクトリックは、この痛みに正面から向き合い、金融部門を分離し、ハイテク製造業の強化に力を集中させることに成功し、現在も米国のモンスター企業としての地位を保っている。