中国の穀物大省と呼ばれる山東省の農家は、夏と秋の収穫期に出稼ぎ労働に出るか、農作業をする時間がない場合に、「畑の家政婦(農地管理人)」に管理を委託できる。畑作業の負担が軽減し、効果も高まる。
伝統的な農業・人口大省である山東省では、農村の労働力の58%以上が出稼ぎ労働に従事している。農家のうち50歳以上の比率が4割以上となっている。これらを背景とし、新型農業主体が登場し、全省の3割前後の農地が流動的に大規模経営されている。
山東省高密市の岳夢羲さんは、このような大規模経営者だ。彼女は近年、大牟家鎮、闞家鎮の一部の村の3000ムー以上の農地を使い、穀物と野菜を栽培している。しかしあまりにも大規模で、多くの労働力を使い、農機と設備が不足していることから、管理が問題になっている。
2014年に「畑の家政婦」が登場すると、岳さんの問題が解消された。これは彼女が持つ農地から数キロ離れた、「初家為農サービスセンター」と呼ばれる企業だ。
企業の担当者の儀亮氏は、「当社は主に農家と農業新型主体に、合理的な施肥方法、虫害・病害の予防、農機による作業、乾燥・冷蔵保管、作物の病院、農家の研修という6種類のサービスを提供している。分かりやすく言えば、農家のために農作業を行い、その後の乾燥・収穫・保管も任せてもらうことになる」と説明した。
多くの農家は、土地管理委託サービスにより規模化経営が可能になり、農業生産コストが削減され、収益増につながったと報告している。
山東省購入販売協同組合は昨年より、2000万ムーの土地の管理委託に関する五カ年計画を開始した。管理を委託されている土地は現在1310万ムーに、土地測量が完了した面積は1124万ムーに、合理的な施肥を行った面積は1034万ムーに、航空機による虫害・病害の予防を行った面積は1110万ムーに達し、農薬の使用量が約20%減少した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年1月12日