国務院発展研究センター経済研究部の張立群研究員は記者の取材に対し、改革開放から30年余りの急速な発展を経て、中国経済には豊かな物質的土台ができ、多くの重要製品の生産量と保有量は世界トップに立ち、経済をはかる多くの重要指標の数値は昔とは比べ物にならないと指摘する。
「ストックから考えると、中国大陸部には13億7千万人の人口がおり、都市化率は56.1%に達し、住民の可処分財産の規模と政府の財力は毎年のGDPの数倍に達している。社会小売品消費市場も巨大な規模を誇っている。現在の中国の経済状況は、1998年のアジア金融危機の際に空売りに遭った東南アジア諸国とは違い、中国に対して空売りをしかけようなどとの考え方は笑い話にしかならない」と張氏は語る。
▽問題:将来を支える原動力の転換
俗に、「しゃがむのはより高く跳ぶためだ」という。中国経済には短期的には、一部の産業で、生産能力の過剰や不動産在庫の高止まり、経済成長の下落継続などの「しゃがみ」の動きが見られるだろう。しかしだからといって中国経済が「下り坂」を滑っていると判断したり、これを利用して資産の空売りで儲けようと考えたりするのは、一を知って二を知らず、表を見て裏を見ない態度と言わざるを得ない。