国際オリンピック委員会(IOC)は昨年6月、2022年冬季五輪評価委員会による候補地の「評価報告書」を発表した。同報告書は、北京と張家口の申請条件と開催能力を十分に評価した。
西側諸国による五輪開催の意欲が低下するなか、中日韓は依然として意欲的だ。韓国は2018年平昌冬季五輪を、日本は2020年東京夏季五輪を開催する。北京と張家口は、2022年冬季五輪に自信を深めている。1964年の東京五輪、1988年のソウル五輪により、日本と韓国の経済が急成長した。アジアナンバーワンの地位を失った日本は、2020年夏季五輪により、当時の「東京タワー、新幹線」の輝きを再現しようとしている。
2022年冬季五輪招致は、国家戦略の重大計画だ。中国は2008年北京五輪によって、大国の台頭という前向きなイメージを示し、ソフトパワーを強化し、アピールした。中国はその後まもなく日本を抜き、世界2位の経済体になった。北京・張家口冬季五輪は、北京・天津・河北一体化という国策のカンフル剤、スポーツ産業の規模を5億人とする目標を促す重要な一歩になる。また都市建設、交通インフラ、環境改善、観光・文化に恵みをもたらす。北京の煙霧を解消し、高度発展に伴う各種「都市病」を取り除く。
冬季五輪招致成功は、張家口の40万人分の雇用を創出し、北京・天津・河北一時間経済圏の構築を推進する。スキー文化で知られる張家口は、東北三省を除くウインタースポーツの聖地となっており、ウインタースポーツに山海関を越えさせるという習近平国家主席の呼びかけに呼応する。
冬の種目は夏ほど多くないが、世界ではウインタースポーツ経済が発展している。ロシア、ドイツ、スイス、オーストリア、ノルウェー、フランス、カナダなどのウインタースポーツ産業は、スポーツ産業の中で高い比率を占めている。地球温暖化と環境汚染に伴い、人々は刺激的で爽快な、クリーンで美しい冬の種目を求めている。ウインタースポーツは特別な道具が必要であり、スポーツ用品業界の発展をけん引する。冬季五輪メダリストの王濛はこのビジネスチャンスをつかみ会社を経営し、ウインタースポーツのウェアと用品を生産している。
計画によると、北京は氷上種目、張家口は雪上種目を担当する。北京は2008年夏季五輪会場をそのまま使用できる。12会場のうち11会場は2008年の遺産で、大規模な建設工事の必要がない。張家口は崇礼雪場を活用できる。冬季五輪で世界的に有名になれば、外国のウインタースポーツ愛好家と観光客を集めることができる。
ネットワークとバーチャルの時代に成長した中国の若者の間では、パソコン、テレビ、携帯電話に依存している人が多い。ロンドン五輪は「世代を超えたインスピレーション」をテーマとしたが、北京・張家口冬季五輪は若者の閉鎖的な暮らしを変え、彩り豊かなスポーツへの参加を促す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年5月19日