今年に入ってから、中国で経済の構造調整が進むなか、経済運営は依然として多くの課題と困難に直面し、比較的大きな下押し圧力がかかっている。一方、サービス業は経済発展の「新常態」(ニューノーマル)に積極的に適応。供給側構造改革も着実に推進されている。1-4月の中国経済は安定かつ比較的速い成長を維持。サービス業と供給側構造改革が国民経済発展の「安定剤」となり、主な原動力でもある。
中国の16年第1四半期のGDP(国内総生産)は前年同期比6.7%増の15兆8526億元。うちサービス業付加価値は7.6%増の9兆214億元に上り、GDPに占める割合は56.9%と、第二次産業より19.4ポイント高く、前年同期から2.0ポイントの上昇。また、サービス業によるGDP寄与率は63.5%に達し、第二次産業を29.3ポイント上回った。サービス業が中国の経済成長をけん引する最大の原動力となり、国民経済において第1位産業の地位を確保している。
4月もサービス業は速い成長を維持。4月のサービス業生産指数は8.3%増と、第1四半期を0.1ポイント上回った。工商総局のデータによると、1-4月の企業新規設立登記は前年同期比27.5%増の157万2000件で、うちサービス業企業が全体の80%を占め、前年同期から割合を約1ポイント上げている。なかでも「インターネット+」関連や新興サービス業の増加が目立った。第1四半期の情報伝送・ソフトウエア・情報技術サービスの企業新規設立登記は39.7%増の6万2000件、文化・スポーツ・娯楽業は37.9%増の2万7000件、教育は37%増の400万件。また、中国電力企業聯合会のデータによると、1-4月の電力使用量の伸び率はサービス業が社会全体、第一次産業、第二次産業を顕著に上回った。サービス業のなかで電力使用量の伸びが最も高かったのは情報伝送・ソフトウエア・情報技術サービス。伸び率は14.4%にも達した。