中国東北部の振興を図る「中国共産党中央国務院の東北地区等旧工業基地の振興に関する若干の意見」が先ごろ発表された。「意見」で、「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)戦略への積極的な参与を通じて、東北地区が中国北部の対外開放における重要な窓口、北東アジア地域協力の枢軸になるように導くという方針が示された。
「一帯一路」戦略が打ち出されて以降、東北各地は積極的に応じ、輸送や物流ルートの整備などで顕著な成果を上げている。過去1年間にわたり、黒竜江省は「竜江陸海シルクロード経済ベルト」計画を基に、インフラ面の「互聯互通」(相互連携・相互接続)を強化し、ロシアが進めている極東開発・建設との連動を図っている。また、黒竜江省は「東部陸海シルクロード経済ベルト」構想を掲げ、ユーラシア大陸を跨ぎ、太平洋とバルト海沿岸の国々を繋ぐクロスボーダー輸送体制の構築を模索している。
交通網の整備が加速するなか、ロシアとの協力強化を重点に、黒竜江省で全方位的な対外開放の局面が形成されつつある。「黒竜江省陸海シルクロード経済ベルト」建設指導チーム弁公室の彭介林・副主任によると、綏芬河、黒河、東寧、同江などの国境都市で、それぞれの優位性と特色を生かした国境地域経済が台頭。クロスボーダーEC(電子商取引)も活気を見せている。黒竜江省からロシア向けに発送した国際郵便小包は昨年で1385万3000件に上り、同省の対ロシア貿易額は中国全体の15.9%を占めた。