吉林省では、長春・吉林・図們江区域の開発が2回目の5カ年計画を迎え、取り組みが実を結んでいる。輸送や物流ルートの整備で成果を上げ、対外開放が加速し、地域産業の分業・協業も前進。東へは日本と結ぶ新たな海上輸送ルートを築き、西へはロシア、モンゴルとの協力に注力。「一帯一路」の北東アジアへの延伸に同地域の重要性が高まりつつある。
遼寧省は東北と関内を結ぶ交通要所で、ユーラシア輸送ルートの入り口にも位置する。沈陽、大連、丹東、錦州、営口など港湾都市を抱える遼寧省は地理的な優位性を生かし、「一帯一路」戦略に積極的に参与。同省で昨年の陸上・海運複合輸送によるコンテナ輸送量は23%増。また、大連港が推進している中国・韓国・ロシア国際物流ルートの整備が進展し、営口の中韓自由貿易モデル区の建設も全面的に始動。東北東部経済ベルトから海に繋がる新ルートの構築に向けた丹東の取り組みも加速している。
東北各地の幹部は、「積極的な連携と貿易・輸出の強化を通じ、不利な経済情勢を乗り越え、改革に主眼を置く東北振興策を進めるための原動力と時間を手に入れた。“一帯一路”戦略における東北の位置付けが同地域に新たな目標と課題を明示し、東北にとってチャレンジであり、チャンスでもある」と口をそろえた。