中国商務部のまとめによると、2016年1-4月の金融を除く中国の対外直接投資は前年同期比で71.8%増加した。中国商務部合作司の責任者は、「一帯一路」関連諸国との投資協力の急増が当期の対外投資の特徴の1つだと指摘する。
中国の対外投資は、近年急成長している。2014年に中国対外投資額は外資の対中投資額を上回り、中国は資本純輸出国となった。中国の「資本輸出元年」の幕開けだ。2015年末に中国の対外直接投資残高は初めて1兆米ドルの大台を突破し、投資対象は184の国と地域に広がった。中国は今や世界第2の対外直接投資国だ。資本輸入国から資本輸出国へと転換し、中国の対外投資は規模の拡大、レベルの深化、新領域の開拓が続いている。これは中国の対外開放政策によるポジティブな成果であり、経済大国から経済強国へと成長している証でもある。また、中国の「走出去」(海外進出)戦略の進展と、成果を人々が共に分かち合い発展を目指すという理念を象徴している。
報道によれば、2016年1-4月の中国企業の「一帯一路」関連諸国への直接投資額は前年同期比で32%増加した。関連諸国から請け負ったプロジェクトの新規契約額は同58.9%増加した。「一帯一路」戦略を通じ、中国の対外経済貿易協力は一段と広がりを見せている。世界経済が依然として調整局面にあり、厳しい情勢が続くなか、16年1-4月の中国対外投資は高成長を実現し、「一帯一路」関連の投資を力強く支えた。中国企業の「走出去」成長戦略と「一帯一路」戦略への自信も見える。「一帯一路」建設への参与は中国の改革開放と経済のモデル転換の過程での歴史的なチャンスだ。関連企業は持続可能な発展への活路を見い出すとともに、関連諸国との互恵的発展を実現、改革開放発展の新たな余地を創り出すことができる。
開放と共享(成果を人々が共に分かち合う)の発展理念は「一帯一路」建設の重要な拠り所だ。4月29日の中央政治局特別学習会で、習近平総書記は「一帯一路」建設は自国の発展だけにとらわれず、中国の発展を契機とし、多くの国々の発展目標実現を助けるべきだと述べた。正しい義利観を堅持することの必要性を説き、信義を重視、義と利の双方を考慮すべきと指摘。功利を急がず、短絡的な行動は慎むべきと強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月18日