自由貿易区が全国でどこも似たり寄ったりというのはいただけない。横琴は、資源と技術の面で突破口を見つけ、金融と技術の結合した特色ある自由貿易区を建設する必要がある――。国家情報センター首席エコノミストの範剣平氏は12日、財新伝媒(Caixin
Media)の主催した「2016中国改革横琴フォーラム」に出席し、上述の観点を示した。
範氏によると、市場に流通している通貨は現在、供給が需要を上回っており、国際市場にはマイナス金利が出現し、国債の利率は史上最低を更新し、大企業は社債を発行してでも銀行融資を求めようとはしない。
注目すべきなのは、中国で7月に増えた融資のほとんどが不動産融資だったということだ。GDP成長に対する金融業の貢献率は昨年、8.5%に達した。今年上半期のGDP成長に対する金融業の貢献率は9.2%に拡大している。資本が過剰で、金融業が実態を伴わずにふくらんでいる。
範氏はさらに、今年6月の製造業投資は6.3%のマイナス成長となり、工業化に早くも衰退の兆候が現れていると指摘する。範氏によると、日本や韓国、台湾では一人あたりGDPが1万3千ドルに達してから産業空洞化が始まったが、中国ではまだ8千ドルにもかかわらず、投資意欲が下がっている。「技術が不足しており、投資を続けても生産力過剰となり、投資収益率が低下するためだ」
範氏によると、多くの企業の金融革新は技術と切り離せず、多くの国内の企業が現在、科学技術の開発で強みを持った企業を国外で合併・買収する意欲を見せている。また技術開発で強みを持った国外の企業も、中国に来て市場を見つけたいと考えている。こうした活動には金融による支えが必要となる。
範氏はさらに、技術革新企業は今後、より多くの金融面での便宜を獲得することになるだろうと指摘した。横琴は、このようなプラットフォームを構築し、金融と技術が結合した特色ある自由貿易区を建設しなければならない。
2013年に上海自由貿易試験区が正式に発足した後、国務院は、天津・広東・福建自由貿易試験区の設立を認可した。今年9月、国務院はさらに、遼寧・浙江・河南・湖北・重慶・四川・陜西の7つの自由貿易試験区を新たに設立することを発表した。
中国広東自由貿易試験区には、「香港・マカオを拠り所とし、大陸部に奉仕し、世界に目を向け、自由貿易試験区を『広東・香港・マカオの深度協力模範区』『21世紀海上シルクロード重要ターミナル』『全国の新たな改革開放の先行地』として建設する」との戦略的位置づけがなされている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月14日