中国通販市場の非常に豊富な品揃えが中南米の海外通販利用者を引きつける。前出のカブラルさんは、「自分のための買い物だけでなく、家族から最新の電子製品やファッション・アクセサリー製品を買ってくれとしょっちゅう頼まれる。中国の通販は現地化を実現しようと努力しており、海外で使えるクレジットカードをもたない中南米の利用者に『現地の事情に合致した』決済方法を提供している。たとえばブラジルで注文すると銀行や宝くじ売り場で支払ができる。こうしたことがブラジル現地の通信販売事業に新たな構想をもたらしてもいる」と話す。
ブラジル国ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)の「エコノミー」誌副編集長のクライディオ・コンセイソンさんは、「通販の急速な発展が中南米諸国の経済成長に一定の振興作用をもたらし、潜在的消費の一部を活性化し、その他の通販企業の中南米進出を呼び込み、貿易往来を促進している。中南米通販事業の急速発展と中国企業の関与には密接な関係がある。2010年に速売通が開通すると、中南米の消費者と中国の企業との間に直接の売買ルートが開かれ、速売通プラットフォームの店舗がブラジル郵便事業の海外小包のうち70%以上を占めるようになった。だが中国のようにどこでもつながり、高効率で便利なオンラインショッピング環境を実現するためには、中南米にはまだ大規模な物流サービスネットワークが足りない」と指摘する。