中国の月探査プロジェクトで「繞(軌道周回)、落(着陸)、回(帰還)」という3工程の最終任務を担う嫦娥5号は先ごろ、着陸機推進サブシステム試作機の試運転に成功した。これは嫦娥5号の研究・開発で大きな一歩となった。
重さ8.2トンの嫦娥5号は2017年11月末、中国で最大出力を誇る長征5号ロケットによって中国文昌航天発射台から打ち上げられる予定だ。
今回の任務を通じ、中国が宇宙活動を開始後の4つの「初」が実現する見通しだ。初の月面自動サンプル採取、初の月面離陸、地球から38万キロの月の軌道上で初の無人ランデブー・ドッキング、月面表土を携えながらほぼ第二宇宙速度での地球への初の帰還。
中国航天科技集団公司第五研究院の月球探測衛星総指揮顧問で、設計士顧問を務める叶培建氏は、嫦娥5号が軌道機、帰還機、上昇機、着陸機の4つを兼ね備えていると説明した。月の軌道に到達してから、軌道機と帰還機が月の軌道を飛行し、着陸機と上昇機は月面に着陸。着陸機に搭載されているサンプル採取装置が月面でサンプルを採取し、サンプルは上昇機に備わるカプセルに入れられる。
上昇機は月面から離陸し、軌道機と帰還機で構成される機体とランデブー・ドッキングし、採取したサンプルを帰還機に移したのちに分離する。軌道機と帰還機の機体は地球へと向かい、地表から距離数千キロの地点で分離し、最終的には帰還機のみが地球に戻る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月1日