中国銀行(ハンガリー)有限公司はこのほどブダペストで、顧客満足度向上と、加速する人民元国際化の流れに適応するために、ハンガリー・フォリント(HUF)と人民元の2つの通貨で決済ができる銀聯デビットカードを発行した。欧州での人民元建て銀行カードの発行はこれが初めてで、銀聯マークのあるATMやPOS端末なら世界中で利用可能。中国とハンガリーを行き来するハンガリーのビジネスマンや旅行者、中国企業関係者、留学生などが主なサービス対象となる。
ハンガリーはEUとシェンゲン協定の加盟国だが、ユーロ圏には属しておらず、ハンガリー・フォリント(HUF)を通貨としている。中国系金融機関がこれまで欧州で発行した銀行カードの多くはユーロ建てだったが、中国とハンガリー両国の投資貿易増加と旅行者の急増に伴い、人民元建て銀行カードへの需要が高まっていた。
中国銀行の許羅徳副頭取は、同銀行カードについて、人民元とハンガリー・フォリントを結び付ける、中国・ハンガリー協力の重要な成果であるとともに、欧州の人民元国際化の重要なシンボルだと指摘した。中国銀行はハンガリーを中東欧事業発展への中心、同地域での人民元サービスセンターと位置付ける。ハンガリー支店は中東欧地域で設立した最初の商業金融機関、人民元決済機関であり、同地域の発展で重要な役割を果たすとしている。中国銀行はハンガリー支店を中心に、プラハ、ウィーン、セルビアの各支店でも人民元と現地通貨の2本建ての銀行カードを発行し、個人旅行者に質の高い金融サービスを提供する。