同報告書は、E11の経済成長は2017年も、各種リスク・課題に直面すると指摘した。これには労働生産性の上昇率の低下、所得・分配格差の拡大による社会の不安定化、債務の拡大、外国為替市場の変動の激化、保護貿易主義の蔓延、米国の経済政策の不確定性、各種地政学的リスクの拡大などが含まれる。
高い債務水準は、世界経済回復の重大な障害物で、E11を含む各経済体が債務とデフレのスパイラルに陥る危険性がある。同報告書は、E11の公共債の水準が低く、財政赤字に大きな開きがあるとした。新興経済体の民間部門の債務水準が高く、上昇傾向を維持している。これは金融危機後、先進国による金融緩和策により資金調達コストが下がり、新興経済体の民間部門が債務を拡大したことと関連している。E11の外債規模は全体的に縮小したが、一部の国は債務償還の大きな圧力に直面している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月24日