パキスタンのグワダル港は、水深があって主要航路に近い港として天然のアドバンテージを持つ。ただ、中国港控公司が管理を引き継ぐ以前は、大量の埠頭施設が長期にわたり放置され、正常に利用することができなかった。数年の修復作業を経て、埠頭施設は昨年9月、全て利用可能な状態に回復した。写真は回復後に利用されるグワダル港の埠頭の様子。『経済日報』の梁桐摄記者が伝えた。
グワダル港は、中国・パキスタン(中パ)経済回廊のパキスタン側の起点で、シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードの交差点として「一帯一路」全体に関係すると共に、現地の人々の発展に対する期待も背負っている。2013年に中国港控が同港の管理に加え、埠頭と923ヘクタールに上る自由区の開発・運営権を引き継いだ後、近海での漁を代々生業としてきた小さな漁村にかつてない活力が湧き上がった。純朴な現地住民の間では、「グワダル港が中国人の経営に代わっただけで現地人の運命が変わった」という感激に満ちた言葉が広まっている。記者は先ごろ、建設中のグワダル港を訪れ、回廊の「真珠」となるこの地の急激な変化を自ら感じ取ってきた。
グワダルに向かう飛行機が徐々に高度を下げると、辺り一面は荒涼として家もなく、ただ見渡す限り砂漠の砂が舞っており、滑走路さえ着陸寸前に目に入ってきたため、乗客は砂漠の上に着陸したと思ったほどだ。おそらく世界最小となる国際空港に到着した記者は、中国港控公司一行の車列と共にグワダル港埠頭と自由区第1工区に向かったところ、そこには中国とパキスタンの作業員500名余りが日夜奮闘して建設を進めるグワダル港があった。
グワダルは、ウルドゥ―語で「風の谷」という意味を持つ。高くそびえてむき出しの砂漠の山には強い海風が吹き付け、当地の空は常に黄昏色のカーテンに覆われているようだ。ところが、空が晴れるとカーテンが下りて、グワダル港は見違えるような姿で目の前に現れる。埠頭と自由区は港を構成する主要な部分で、建設作業が勢い良く進むなか日進月歩の変化をみせている。グワダル自由貿易区有限公司の胡耀宗・副総経理は記者に対し、現在の建設ペースでは、同港の姿が3カ月ごとに大きく変わっていると紹介した。