世界中が注目した習近平国家主席と米国のトランプ大統領との首脳会談が終わり、両首脳は貿易不均衡是正に向けて100日以内に具体的な成果を出すことを目指す「100日計画」の策定で合意した。これは首脳会談で獲得されたもっとも重要な成果の一つといわれている。今回の会談での計画によると、双方は友好的な話し合いのメカニズムをスタートさせ、米国の対中貿易赤字の削減を目指すという。現在、100日計画は枠組み面での成果が具体的な成果や細かい部分での成果を上回るが、外部ではこの計画が今という重要なタイミングで発する積極的なシグナルはどのようなものか、推測し解読する動きがみられる。
▽指導者の直接のやりとりに貿易不均衡解決への決意がみえる
米中貿易の不均衡是正を目指す100日計画は、今回の中米首脳会談の重要な成果の一つといわれている。首脳会談で確立された中米対話メカニズムは、今後の中米貿易関係の方向性を明らかに指し示し、このメカニズムの下で策定される100日計画は、市場に対し中米両国の貿易不均衡の解決に向けた決意を示すものとなっている。
中国社会科学院世界経済・政治研究所の孫傑研究員は、「100日計画の最も重要な意義は両国指導者が直接やりとりをしたという点にある。顔を合わせた直接のやりとりの上に構築された計画は、1つの部門や1つの職能機関の観点から生まれたものではなく、これによって両国の政策決定はより全局的なものになる。100日計画はこうした指導方針の下での具体的な動きだ。この一大方針があれば、多くの具体的な事は処理に際してよりよい結果を得られるようになる」と話す。
中国人民大学国際関係学院の時殷弘教授は、「中米の100日計画は主に両国の間の貿易赤字削減をねらったものだが、貿易赤字をわずか100日間で解決するのが難しいことははっきりしている。中米間の貿易赤字の根源は両国の国情によって決まり、貿易赤字解決の根本は両国が対話交流を行うことにあり、いわゆる『貿易戦争』にはない。よって、中米の100日計画は中米の貿易赤字削減が可能だから登場したのではなく、市場に中米双方の貿易赤字問題解決に対する決意を示すことにねらいがある」と指摘する。