レバレッジ解消と監督管理強化のプロセスのなかで、中国の中央銀行と監督管理機構の協調がさらに強化されている。市場は、中国のレバレッジとリスクの解消に対する決意を過小評価することはできないが、中国政府は改革のプロセスと深度を慎重にコントロールし、改革と安定のバランスを維持する見通しだ。
最近、中国国内金融システムのレバレッジ解消プロセスが、グローバル投資家の注目を集めている。一部の悲観的な投資家がレバレッジ解消のプロセスが実体経済と資本市場へ打撃を与えることを懸念した際、多くのグローバル投資機関は、中国経済の失速リスクがすでに大幅に下がり、各種の経済指標が相対的に安定するなかで、監督管理機構が高度に協調するレバレッジ解消のプロセスが中国経済の健全な発展の持続につながるとの見方を示した。
5月のPMI統計は、中国経済成長が持続可能かに対する一部投資家の疑念を引き起こした。これについてイングランド銀行は、第1四半期の中国経済が想定より良好で、今年の経済成長率が6.5%前後の目標水準を依然として維持しているとの見方を示した。欧州中央銀行は、5月の金融安定評価レポートで、2016年下半期以降、中国に代表される新興市場のファンダメンタルズにポジティブな変化が生じたと強調した。この影響を受けて、欧州銀行業界の中国市場に対するエクスポージャーが上がったと分析。欧州銀行業界全体の株式市場に対するエクスポージャーが低下しているが、中国市場と新興国の株式投資については、絶対数はもちろん、相対的な比率も小幅に上昇したとしている。
香港上海銀行(HSBC)は、世界的なニーズが絶え間なく改善し、中国の民営経済の成長率が次第に回復しており、中国経済成長のファンダメンタルズがさらに固まったと分析。同時に、中国国内の高レバレッジの問題は一概に論じることはできないと指摘した。中国における民営経済の影響力がますます大きくなり、これまでの長年にわたるレバレッジ解消を経て、民営経済の債務水準は比較的低い。海外の需要振興、国内製造業の高度化、都市化などのプラスの要素が民営経済部門に新たな発展のチャンスをもたらした。そのため、「中国経済の高レバレッジが経済成長を抑制する」という視点は、偏り過ぎとしている。