中国EC大手の新戦場、東南アジアのタイに注目

中国EC大手の新戦場、東南アジアのタイに注目。

タグ:京東商城 アリババ タイ

発信時間:2017-09-12 13:12:45 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 ロイター通信は先月末に消息筋の話として、中国ネット通販大手・京東商城が5億ドルを投じ、タイ最大の小売グループであるセントラル・グループとEC合弁企業を設立することを検討中と伝えた。同社は京東と事業提携し、東南アジア市場でアリババ・グループやアマゾンと競争を展開することになる。

 

 消息筋は本日バンコク・ポスト紙に対して、京東が最終的にセントラル・グループと合弁企業を設立し、EC連盟を発足することで、市場拡張のペースを上げることになると明かした。

 

 環球網の記者は京東側に本件について問い合わせたが、現在まで回答はない。京東側はこの事業提携を年内に実行に移すかについてはコメントを控えたが、東南アジアにおけるEC事業の開拓は非常に魅力的な投資先だと表明した。まだ完全に開発されていない市場だからだ。

 

 バンコク・ポストは、中国に同地域のEC市場への投資を促す要素は、主に3つあると分析した。まず同地域のインターネット及びモバイル通信の普及率がやや高く、タイのオンライン小売市場が高い潜在力を秘めていることだ。

 

 データによると、タイのオンライン小売額が小売額全体に占める割合は2%となっている。米国は10%、中国は15%。Googleとテマセクが2016年に発表した報告書によると、タイのEC市場の現在の規模は9億ドルで、今後10年間で29%成長する見通しだ。東南アジアEC市場規模は2025年に880億ドルに達し、現在の15倍に成長する。

 

 上述した消息筋によると、東南アジアの人口構造は中国の10年前に近いという。これは中国企業が豊富な経験により、タイなどの東南アジア諸国でEC事業を展開する自信を持つことを示している。

 

 次に、タイ政府は2016年に「タイランド4.0」戦略を打ち出し、ハイテク・革新的技術産業の発展に力を入れるとした。うち東部経済回廊は、タイが同戦略を積極的に推進するため優先する戦略的プロジェクトだ。これはタイのEC事業・技術の発展を促す。

 

 それから、東南アジアにおいてタイは2位の経済国であり、1人平均GDPは東南アジア諸国のうち3位につけている。またタイは中国との貿易規模を徐々に拡大している。東南アジアの中心に位置し、ミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアと隣接するため、タイには地理的優位性と貿易のチャンスがある。そのためタイと中国の鉄道などの物流インフラは、これらの国のECサイトを通じて、スムーズに越境貿易を展開することになる。

 

 市場調査会社、IDCのJarit Sidhu研究担当者は「京東とセントラル・グループが設立するEC合弁企業は、オンライン体験とマーケティングを一つに結びつける。京東は短期的に、Lazadaと価格競争を展開する」と話した。

 

 タイに長期在住する中国人女性教師の春秀さん(仮名)は、環球網の記者に対して「私はタイでネット通販をあまり利用しない。タイ現地のECサイトは使いにくい」と語った。

 

 「京東とアリババがタイのEC企業と協力することを知り、中国人向けの特殊なサービスに期待している」

 

 タイのECサイトは主に、アリババが投資するLazada、タイ・CPグループが運営するAscend、韓国の11 Streetとなっている。

 

 上述した消息筋は「両社は事業提携し、全チャネルマーケティングを開発する。消費者はオンライン・オフラインで同時に購入できる。アマゾンやアリババなどのIT大手との競争において、全チャネルマーケティング戦略はますます好評を博している。各社は最近、実店舗の買収を開始した」と述べた。

 

 タイEC協会会長、Tarad.com創業者のPawoot Pongvitayapanu氏は「タイは中国EC大手の新しい戦場になる。両社の今回の事業提携は、タイ現地のECも海外に手を伸ばし始めたことを示している」と指摘した。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月12日


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