中国の李克強総理は北京の釣魚台芳華苑で12日、世界銀行の金墉総裁、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事、世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長、国際労働機関(ILO)のライダー事務局長、経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長、金融安定理事会(FSB)のカーニー議長と共に、第2回目となる「1+6」円卓会議を開いた。会議は「世界の経済情勢と経済グローバル化の未来」をテーマに、世界の経済成長、持続可能な発展、多国間貿易体制の維持、経済グローバル化、労働力市場政策、国際金融監督管理改革などの問題を中心に議論を深めた。
李克強総理は、世界経済が回復に向かう一方で、脆弱な部分も表面化しており、不透明要因が依然として多いと指摘した。習近平主席は年初に世界経済フォーラム2017年度年次総会(ダボス会議)で、「中国側は多国間主義と貿易自由化、人類の運命共同体建設に向けた立場と主張を堅持する」と述べた。これを踏まえて、「我々は国際社会と率直で誠意ある交流を強化し、共に情勢を把握、政策の意思疎通を深め、今後の見通しについて方向性を示し、世界経済の回復促進に注力する考えだ」とし、5つの意見を提起した。
(1)世界経済は今まさに要の時期にある。各国は心を合わせて協力し、多国間主義とグローバル化の流れに順応する必要がある。国際規則を遵守するとともに規則の整備について協議し、マクロ経済政策について意思疎通と協調を強化、世界経済の成長に向けて共に注力する必要がある。
(2)構造改革推進に一段と力を入れる。新たな科学技術革命と産業変革のチャンスを捉え、制度面の革新を強化し、制度的な取引コストを引き下げる。創業創新の活力を喚起し、新興産業を発展、労働生産性の向上を図る。知財権の保護に努め、インフラ建設投資を拡大、経済発展と構造調整の促進に向け条件を整える。
(3)自由貿易を基盤とする多国間貿易体制を維持する。各国の優位性を発揮し、発展の成果を共に分かち合う。貿易不均衡問題の解決については互いに門戸を開くことに尽力し、互恵協力を実現する。