大衆消費・サービス分野が活況を呈するなか、シェアリングエコノミーが次の段階に突入しようとしている。生産分野に転向し、ハイエンド製造業への浸透を加速している。専門家は「生産能力の共有により、伝統的な製造業の質と効果の向上を力強く促進し、未来の生産方式に根本的な変革をもたらす」と予想した。
浙江省は先ほど「浙江省シェアリングエコノミー発展の促進加速に関する指導的意見(意見募集稿)」を発表し、生産分野の共有の力強い促進を打ち出した。ハイエンド製造分野を重点とし、生産分野のシェアリングエコノミー模範エリアを構築する。企業の生産設備共有プラットフォームの構築を支持し、大型IT企業によるネットワーク化共同製造公共サービスプラットフォームの構築を奨励するなどとした。
多くの地方と企業が、生産及び製造分野の共有を試し、実践的模索を展開している。
既存の資源を活用し、価値の最大化を実現するため、東北地区・遼寧省の工作機械メーカーは「工作機械シェア」という新モデルを模索している。メーカーは既存の「ハード型」発想を捨て、工業ツールを市場に開放した。工作機械の共有を出発点とし、伝統的な重工業は新経済とつながる効果的なルートを見出し、製造業の活力と実力を高めた。
珠江デルタでは、一部の零細企業が先進的な工作機械と優秀な技術コンサルタントの共有を開始した。宝安区燕羅街道のサイバースペース「Mould Lao」では、製造業の零細企業十数社が共同の工場を持つ。建物、設備、原材料、労働者、財務、受注など、すべての共有を実現。このような「シェアリング工場」において、「製造シェア」が資源の利用効率を効果的に高め、製造と経営のコストを引き下げている。
さらに「生産能力シェア」「シェアリング工場」などの新型生産モデルの流行に伴い、一部の電子商取引大手もオンラインからオフラインの小売に拡張し、インターネットと伝統的製造業界の高度な結びつきを実現している。
業界関係者は、「高い市場の潜在力に有利な政策が加わり、製造業のシェアリングエコノミーは急成長を迎えようとしている。資本も進出を加速する見通しだ」と分析している。
中国社会科学院工業経済研究所の趙剣波副研究員は「シェアリングエコノミーの生産分野への浸透は、現在の政策の指導目標に合致する。インターネット+にせよスマート製造などにせよ、次世代ネットワーク技術が消費市場のみならず、生産分野でより大きな力を発揮することで、中国製造業のモデルチェンジとアップグレードをけん引する。これは政策の指導方向だ」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月22日