『経済参考報』記者の取材によると、新エネルギー車の分野では、中国は、世界の自動車製造強国と同じスタートラインに立っており、そのうちの一部の分野では優位性さえ備えている。中国はすでに、世界の新エネルギー車の最大市場となっており、カギとなる技術の面でブレークスルーを実現し、国内外の新エネルギー車市場のシェア争奪を加速しており、中国の自動車工業はかつてないチャンスを迎えている。
第一に、中国はすでに、世界の新エネルギー車の最大の市場となっている。
工業・情報化部の発表したデータによると、2016年の中国自動車の生産販売台数は2800万台を突破し、連続8年で世界トップにつけている。新エネルギー車でもすでに世界最大の生産販売市場となっている。5年前、中国の新エネルギー車の生産台数はわずか1万台にすぎなかった。現在はすでに50万台余りに達し、合計100万台以上がすでに普及し、世界市場に占める割合は50%を超えている。世界の新エネルギー車の潜在市場容量は8兆ドルに達すると見られている。
江鈴集団董事で江鈴新能源汽車公司総経理の劉年風氏によると、新エネルギー車の生産販売は飛躍的な発展を実現しているが、自動車市場全体に占めるシェアは約1.8%にすぎない。これは中国の新エネルギー車が良好な発展のチャンスと見通しを持っていることを示している。「新エネルギー車で主導権を握るということは、未来の自動車市場の主導権を握るということであり、産業全体の布陣もこれに従って変化することになる」
第二に、中国の新エネルギー車はキー技術で一歩ずつブレークスルーを実現している。
業界関係者によると、中国の新エネルギー車は「三電」、つまり電池と電気制御、電動機の3つの面で先進水凖とまだ差がある。だがその差は縮まり続けており、いくつかの細かい分野では世界をリードする水準に達している。
動力電池は新エネルギー車の「心臓」だが、中国の研究開発水準はすでに世界の先頭に達している。江西省カン州の電池メーカー「孚能科技」が生産した三元系リチウム電池は、エネルギー密度ですでに、テスラが使用しているパナソニックの電池を超えている。同社の開発した電池管理システムは、電池パック内の電池間の温度差を2℃以内に制御し、電池の使用寿命を大幅に延長した。孚能科技の王瑀・董事長は、中国はすでに、いくつかの動力電池の核心技術を把握しており、産業チェーンの利潤ポイントもすべて掌握していると指摘する。
従来の自動車メーカーの代表として、劉年風氏は、電動機の面でも中国は遅れを取っていないと指摘する。とりわけ進んだ高速鉄道の電力駆動技術はすでに、新エネルギー車の製造に導入され、技術的な優位性を形成している。
第三に、中国の新エネルギー車を発展させ、先進水準に追いつき追い越すチャンスとなる時期が早まっている。
今年9月初め、工業・情報化部は、従来エネルギー車の生産・販売停止のスケジュールに関する関連研究をすでに始動したことを明らかにした。関連部門と協力して、中国独自のスケジュールを制定する。この措置は、ガソリン車販売の全面禁止を中国がアジェンダに掲げたことを意味する。これはガソリン車販売禁止をめぐっての工業・情報化部の初の姿勢表明となる。欧州の多くの国もすでに、ガソリン車販売の全面禁止のスケジュールを宣言しており、いくつかの自動車メーカーも将来は電動自動車だけを売ることを発表している。こうした兆候からは、ガソリン車が歴史の舞台から姿を消すのはすでに決定的となっていることがうかがえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月22日