フランスのマクロン大統領は10日、3日間にわたる訪中日程を終えた。中国商務部の高峰報道官は11日の定例記者会見で、仏大統領の訪中期間中に両国企業間で総額200億ドル規模に上る巨額契約が結ばれたと明らかにした。原子力や航空、介護、環境、金融、エネルギー総合利用など幅広い分野で戦略的な貿易・経済協力を強化することで合意した。
高報道官は、中仏両国は国交樹立以来、二国間貿易・経済協力を着実に進展させてきたと説明。2014年3月の習近平主席によるフランス公式訪問で、両国の緊密で持続的かつ包括的な戦略的パートナーシップを構築する新時代が切り開かれ、両国の協力関係は幅広い分野にわたって強化され、多層的な相互利益の関係が構築されたと述べた。
2017年1~11月、中仏二国間の貿易額は前年同期比15.4%増の488.7億ドルに上った。うち、フランス向けの輸出額は11.2%増の247.5億ドル、フランスからの輸入額は20.1%増の241.2億ドルだった。昨年11月末時点のフランスの対中投資額は実行ベースで164.6億ドル、中国の対仏投資額は186.9億ドルだった。
今回、両国間で締結された巨額契約は原子力や航空などの既存分野だけでなく、介護サービスや電子商取引といった新興分野にもまたがっている。昨年末、米中企業間でも巨額契約が結ばれたが、こちらも既存の貿易分野だけでなく双方向の投資も含まれ、貨物貿易やサービス貿易など幅広い分野にわたった。
こうしたことを踏まえ、専門家は「グローバル経済システムにおいて、中国は様々な役を演じるようになっている」と指摘した上で次の見方を示した。
「中国は巨大な消費市場であるだけでなく、十分な力を備えた投資パートナーであり、また、ハイエンド製造業や技術イノベーションを進める上で対等な協力者であり、第三国市場を開拓する上で理想的なパートナーでもある。海外企業との相次ぐ巨額契約の締結は、中国の市場開放が年々進んでいることを示すものだ。実際に今回の仏大統領の訪中で、中国側は基準を満たすフランス産の豚肉や乳製品、特に育児用乳製品の輸入を認めた。このほか、ポーランド産のリンゴ、チリ産のチェリー、ニュージーランド産の蜂蜜、カザフスタン産のヒマワリ種子油なども認めた。中国はすでに巨大市場を開放しており、今後も世界中から様々なモノが輸入されるだろう」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年1月12日