中国初の電磁環境モニター試験衛星「張衡1号」が2日、無事打ち上げられた。国防科技工業局システムプログラム司の趙堅副司長は「張衡1号は主に地震の予兆に関する情報の研究に用いられ、将来的に地震観測システムを構築するため技術を蓄積する。中国は初めて全国及び全世界の3D地球物理動的観測能力を手にした。言い換えるならば、この衛星は中国域内のM6.0以上、世界主要地域のM7.0以上の地震電磁情報を目にすることができる」と説明した。
中国地震局地殻応力研究所の申旭輝チーフエンジニアは記者に対して、「科学者はこの数十年間で、自分たちが観測した宇宙の電磁の乱れが実際には電磁波の波紋であり、地震の発生との間に高い関連性を持つことを発見した。統計の意義に基づくと、地球ではM6.0もしくは7.0以上の地震が発生する前に、関連地域の電磁の乱れに異常が生じる可能性がある」と指摘した。
「張衡1号」はこの原理に基づき運行する。申氏は「地震は単純に言うならば地殻運動だ。この運動は磁力線を断ち切り、磁力線を歪ませる。また地球の岩石の摩擦と破裂により電磁波が生じるが、この電磁波は大気層に向かい移動するため、大気層の電磁情報に変化が生じる」と説明した。
海外では地震前の「宇宙の電磁の異常」現象に関する研究が、長年に渡り展開されてきた。趙氏は「これまでロシア、フランス、米国、ウクライナなどの国が同類衛星を打ち上げていたが、いずれも退役している。フランスのDEMETER衛星は軌道上を6年半飛行し、大きな成功を手にした」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年2月5日