中国商務部、国家統計局、国家外貨管理局が28日に発表した「2017年度中国対外直接投資統計公報」によると、2017年末現在の中国の対外直接投資ストックは1兆8000億ドルで、世界2位に躍進した。うち2017年の対外直接投資は初めてマイナス成長となったが、1583億ドルで世界3位となり、同期の外資導入規模を上回った。
統計公報によると、中国の対外直接投資の業種は多岐に渡っている。中国の2017年の対外直接投資は、国民経済の18業種を網羅した。うちビジネスサービス、製造、卸売・小売、金融への投資は100億ドル以上で、8割以上を占めた。ストックが1000億ドルを超える業種は、リース・ビジネスサービス業、卸売・小売業、情報伝達/ソフト・情報技術サービス業、金融業、採鉱業、製造業の6業種で、中国の対外直接投資ストックの86.3%を占めている。
中国企業は2017年に、56カ国・地域で431件の対外M&Aを行った。実際の取引額は1196億2000万ドルで、うち直接投資が334億7000万ドルでM&A全体の28%を占めた。域外資金調達は861億5000万ドルで、前年を7割上回り、M&A全体の72%を占めた。M&Aは18業種を網羅。中国企業の対外投資・M&Aは広範で、域外資金調達規模が過去最大を記録した。
報告書によると、人民元の対外投資が活況を呈しており、利益剰余金が4割以上を占めている。中国の2017年の対外直接投資フローの2割が人民元建て出資で、中国企業800社以上によるものだった。主に域外企業の株式及び債券への投資を形成した。投資フローの内訳を見ると、2017年の新規株式投資は679億9000万ドルで、総額の42.9%を占めた。債券への投資は206億6000万ドルで13.1%を占めた。中国企業の2017年の対外投資利益剰余金による投資は、前年同期比127%増の696億4000万ドルで、同期の中国対外直接投資の44%を占めた。