▽ポイント2:劉鶴副総理が現場に登場
ここ2日間ほど、SNSを賑わし、転載され続けた1枚の写真がある。赤いネクタイを締めた劉鶴副総理が微笑みを浮かべて、7日の協議の現場に姿を現した時の写真だ。向かい側にいた米国の政府当局者は、明らかに喜んでいるようで、拍手までしていたようだ。
このポイントは、多くの海外メディアにも注目され、「非常に意外だ」などと伝えられた。今回の協議はあくまで次官級協議であり、副総理の劉鶴氏の登場はだれも予想していなかった。
どう考えたらよいのだろうか。
これにはさまざまな解説があるが、筆者が最も確実だと感じるのは、やはり多くの海外メディアも伝えているように、劉氏の登場は特別なことであり、中国がこの協議をどれほど重視しているか、どれほど誠意を示しているかがわかり、米国に対する破格の厚遇であるというものだ。
また別の興味深いポイントがある。北京時間の8日夜、各方面が協議の進展をじりじりと見守っていた時、米国・ワシントンの現地時間の8日早朝、トランプ米大統領が突如、「中国との協議は非常にスムースに進展中」という短いツイッターを発信したことだ。
これは何を意味するのか。
答は非常に簡単だ。今回の協議は北京で行われているが、米国も上から下までそろって非常に注目しており、ホワイトハウスも事態の進展を真剣に見守り、進展があればすぐにも外部へ積極的なシグナルを発信しようとしている、ということを意味する。