中国の海外通販利用者は今、ぜいたく品や化粧品を海外から取り寄せているだけでなく、中国から輸入した原料を使って製造した海外の「漢方製剤」も「逆輸入」している。山西晩報が報じた。
日本の漢方薬が世界市場のシェア8割占める
10年以上観光旅行のガイドを務めている余琳さんは、ここ数年、ぜいたく品や化粧品だけでなく、韓国の牛黄清心液や日本の救心などの海外の漢方薬を、親せきや友人に頼まれて買って帰ることが多くなったという。
日本の小林製薬は最近、複数の製品が昨年、中国人観光客から高い人気を集め、第2四半期(4-6月)と第3四半期(7-9月)の売上高が前年同期比で5-6倍に達したと明らかにした。それに伴い、日本の「漢方製剤」メーカー数社も利益を大幅に伸ばした。
ある資料によると、中国の中医薬(漢方薬)市場において、海外製の漢方薬がシェアのかなりの割合を占めている。また、中国を除いた世界の漢方薬市場において、日本がシェアの80%を占めているのに対して、中国はわずか5%にとどまっている。中国第三軍医大学新橋医病院の中医薬の専門家・趙朝廷氏は、「中国人観光客が爆買いしている『漢方製剤』は、海外の企業が中国から基準をクリアした原料を輸入して、加工し生産した『中成薬』。それを外国語の書かれた箱に入れると『海外製漢方薬』になる。中国の伝統文化の宝である中医薬に、このような現象が起きていることを、よく考えなければならない」と指摘する。