朝早く、粤港(広東・香港)ナンバーのトラックが数秒停車しただけで、広州南沙保税港区物流区の入口を通過した。車の電子ロックが自動的に解除され、荷降ろしのため倉庫に直接向かった。
広州盈通物流サプライチェーン有限公司の張国強総経理は「税関の粤港越境倉庫プロジェクトのおかげで、貨物は香港空港に到着すると直接車に積み込まれ南沙の倉庫エリアに運ばれ通関となる。現場で伝票を提出する必要がなく、物流と通関にかかる時間は3時間ほどだ。粤港倉庫で仕分け・梱包し、小包1つで4、5元しかかからない」と話した。
空輸により香港国際空港に入る貨物は、香港で仕分け・梱包し、伝票を貼り付け、さらに入境し通関に移るまで2、3日かかっていた。域外梱包料金は1つで10元以上した。
張氏によると、通関効率の向上により、ほぼサッカーコート大の同社の倉庫の稼働率が記録更新を続けている。ピーク時は1日の入庫貨物が約100トン、出荷貨物が50トン以上に達する。「2017年の設立当初は香港及びマカオと連結する予定だった。現在は大湾区の発展に伴い、通関がスムーズになってきている。今後は中継輸送センターになり、海外事業を展開する自信を深めている」
広州税関は手続き時間を短縮し、通関手続きを簡略化し、通関方法の革新に取り組み、粤港澳(広東・香港・マカオ)越境物流ルートの建設をサポートしている。広東自由貿易試験区南沙を中心とし内陸部の奥地に延長する、陸海空及び鉄道による連絡輸送物流システムの整備が続いている。スムーズで効率的な通関メカニズムが構築されている。
南沙新港口岸は今年3月から土日及び祝祭日の常態化通関モデルを試験的に開始した。第1−3週の土日に2281件の通関申請を受け付けた。貨物は約20万トンで、価値にして約9億3000万元にのぼる。
広州市海誠国際貨運代理有限公司商務部マネージャーの黄金寧氏は「先週日曜日に14件の輸出を申請し、同日午前中に順調に船で輸送された。これにより当社は取引先と連絡しやすくなった。ある取引先は倉庫を持たない生産方式だが、1万トン弱の原料を船で日曜日に港に送った場合、同日中に通関を終えることで生産を保証できる」と話した。
港湾の他に、大湾区のスマート空港の建設も加速しており、空港クラスタの輸送力の相互補完が生じている。香港国際空港の大半の空運貨物は珠江デルタに出荷されるか、珠江デルタから出荷されるものだ。うち広州白雲国際空港との間の貨物輸送は、「積荷目録データを一度で送り、申請を一度で終え、一度で通過を認められる」を実現しており、トラックが頻繁に行き来している。白雲空港口岸粤港間中継貨物輸送量は昨年8万1800トンに達し、トラックが香港との間で1日あたり約58往復した。
大湾区特色産業の発展を支援するため、広州税関は検査・検疫監督管理、特殊エリアの監督管理などのモデルの革新に取り組んでいる。越境EC、競走馬スポーツ、バイオ医薬品、豪華客船、国際会議・展示などの新興産業を支援し、貿易全体の発展を促進している。
広州南沙保税港区越境EC倉庫において、税関は情報化監督管理システムを改善し、24時間スマート化ゲート連動を実現した。唯品会、網易考拉などのEC企業40数社が入居し、一連の物流企業の発展をけん引している。物流がスムーズで、プラットフォームが集約し、革新的なモデルを持つ越境ECビジネス生態圏が形成された。
華南生物材料出入境公共サービスプラットフォームにおいて、貨物は空港から生物島に移動する間、通関を一度に終えることができる。同プラットフォームの運営者、金境生物材料物流サービス有限公司の運営担当者である劉世浪氏は、「1回当たり約2、3日の営業日として計算すると、関連企業の入境にかかる時間を累計で700日弱短縮し、通関費用を3−5割削減している」と述べた。
広州税関と港澳の通関協力も、企業に多くのボーナスをもたらしている。税関区の昨年のCEPA優遇税率適用輸入貨物は価値にして1億3800万元にのぼり、前年比84%増となった。CEPA食品検査・監督管理の新モデルにより、口岸の検査・検疫時間は3時間内に短縮された。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月29日