退勤中に甘い飲み物を購入しストローを取る。残業中に出前を取り、使い捨ての箸とナイフがつけられる—来月より、生活におけるこれらのありふれた一幕が制限される。新しい規定によると、上海市飲食サービス業は7月1日より、消費者に箸やスプーンなどの4類使い捨て食器を自ら提供してはならない。
宅配便の包装や使い捨て食器は、現在の生活ゴミの最大の増量源だ。プラスチックごみと白色汚染を減らすためには、消費者が日常生活の細かい点から始めるほか、関連方面の環境に優しい食器の普及が必要だ。
使い捨て食器にお別れ、飲食業界が準備を進める
新規定の実施がカウントダウンの時期に入るなか、記者が上海市の飲食店とカフェを取材したところ、いずれも事前に準備を整えていた。上海市閔行区のファミリマートの店員は「店内には予備用の箸など使い捨て食器があるが、利用客が欲しいと言った場合にしか出さない」と話した。
店内でのサービスよりも、新規定はデリバリー業界に大きな影響を与える。上海市徐匯区のレストランで、レジ打ちの店員がレシートを見せてくれた。「スプーン2つ、ストロー1本」店員によると、消費者はデリバリーサイトで注文を出す際に、必要な食器の数を入力する必要がある。「記入がなければ使い捨て食器がいらないということになる」
「上海市生活ゴミ管理条例」によると、飲食サービス提供者もしくは飲食配送サービス提供者が自ら消費者に箸やスプーンなどの使い捨て食器を提供した場合、市場監督管理部門が期限付きでの改善を指示する。期限内に改善されなかった場合は500−5000元の罰金。
規制と同時に代替案が必要
上海市民の蘇さんは、「店側に自ら提供することを禁じただけで、誰もが欲しがれば環境保護の効果が出ないのではないか」と懸念した。
同済大学循環経済研究所の杜歓政所長は「グリーンな消費習慣を養うには長期的な取り組みが必要だ。これは人々のグリーンな消費の意識をさらに高める一方で、環境に優しい食器の使用を普及させる必要がある」と述べた。
記者があるファーストフードの複数の店舗を取材したところ、チキンやポテトに使われていた紙製のケースと袋は、再利用が可能な黒の容器に変わっていた。使用時にはこの容器に耐油紙を敷くことで食べ物が食器に直接触れるのを避ける。
杜氏は「使い捨て食器の提供を制限するほか、その生産と販売の規制を模索するべきだ。各方面から同時に取り組むことで、プラスチックごみの減量を実現できる」と提案した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月28日